パーヴォ・ヤルヴィ指揮N響定期:マーラー「復活」2015/10/03 23:12

よくぞN響の首席として来てくれたもの。
多くの人がそう思っているのだろう。拍手と歓声に熱烈な期待と歓迎が込められていた。

パーヴォの指揮ではこれまで、ドイツ・カンマー、パリ管、N響と3つのオーケストラのコンサートを聴いた。それぞれに素晴らしい演奏を聴かせてくれている。ベートーヴェンも、シューマンも、ストラヴィンスキーも、そしてマーラーも、とても良かった。いつも新鮮な驚きを伴った豊かな音楽体験だ。

今夜はマーラーで、2月の第1番に続いて、第2番の交響曲。このまま、ずっと順番に9番まで、ぜひ聴いてみたい。
今夜の第二番では、マーラーからショスタコーヴィチへの連続性を実感した。そして、第二番は、第三番にも第八番にも直結していることを感じた。第一楽章では、巨大で暴力的な力の蹂躙が感じられる。そこに、ショスタコーヴィチの先取りを聴いた。形は、第三交響曲と相似形だ。時空間の全体を音楽に取り込みもうとするかのような技法には、第八交響曲が既に響いている。
聴いている時の感興が終わって覚めてしまうのではなく、いつまでも残って思いや考えが遠くまで広がっていくような体験を与えてくれる指揮者だ。

来週のドビュッシー、ラヴェル、ベルリオーズ、再来週のR.シュトラウスも大いに楽しみ。