パーヴォ指揮N響のR.シュトラウス2015/10/15 22:07

サントリーホールでのN響B定期を聴く。
チケット完売。
会場入り口前には「チケット求む」と書いた紙を掲げた人がいた。

パーヴォは今月からN響首席指揮者に就任したわけだが、
早くもR.シュトラウスのレコーディングがスタートしている。
2月定期の「英雄の生涯」と「ドン・ファン」のライブ録音が発売され、
今夜の定期も録音されて発売が予定されている。

これって、驚くべきことだと思うのだ。
パーヴォがN響と録音するなら、シュトラウスであり、
それは、世界へ発信する価値があるものになる。
そういう「見立て」と、成算あるいは自信が
パーヴォとレコード会社の双方に確固としてあるのでなければ
成立しえない話しだろうと思うからだ。

前置きが長くなってしまった。
今夜は、前半に、「ドン・キホーテ」。後半は「ティル・オイレンシュピーゲル」と「薔薇の騎士」組曲。
ずいぶん盛り沢山な、と思ったが、聞き終わってみると、統一感もあり、充実したあっという間の二時間だった。「ドン・キホーテ」と「ティル」は曲のアイデアがよく似ているし、「ドン・キホーテ」と「薔薇の騎士」は、音楽的にそっくりな主題が出てくる。「ドン・キホーテ」のテーマと、薔薇の騎士終幕の大団円のところのテーマは、そっくりなのだ。そのことに、今夜初めて気がついた。

鮮やかで、豊かな、見事な演奏だったと思う。ドンキホーテのソロを弾いたトルルス・モルクが素晴らしかったし、ヴィオラ、ヴァイオリン、管のソロ、いずれも文句なし。そして合奏のクリアさと厚みと切れ味。大管弦楽音楽の醍醐味を堪能した。録音プロジェクトは、結果的にN響の「やる気」「本気」を見事に引き出してもいるようだ。

シュトラウスの管弦楽曲を聴いて「感動」はしないが、大きなカタルシスは感じる。今夜のような演奏で聴くと。

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