梅雨の晴れ間の立山2016/07/18 19:45

富山駅近くのホテルで4時半起床。曇天。
5時に、富山時代からの知り合いが、車でホテルに迎えに来てくれた。
ありがたい。
6:10、立山駅から始発のケーブルカーに乗車。
このケーブルカーは平均斜度が24度、最大斜度28度もある。
急斜面にへばりつくように進む。
美女平駅からバスに乗り換え、7:15、標高2450㍍の室堂着。
途中で雲の中を突き抜け、ピーカンの空の下に出た。
溶け残った雪があり、夏の高山植物が花盛り。
一時間ほど歩き、8:15、標高2700㍍の一の越を通過。
雄山への登りに取りつく。
時間が遅くなるほど人が増えると思われたので、先を急ぐ。
一の越から先はザレた岩場の急登続く。

9:40、標高3003㍍の雄山山頂着。
10:50までゆっくりする。
富士山こそ見えなかったが、八ヶ岳、南アルプス、槍穂高。笠ヶ岳、薬師、等々の北アルプスの山々、白山まで、雲海の上に連なっている。

これは南東方向、足もとの黒部湖を隔てて、針ノ木岳。

ほぼ真北、富士の折立、真砂岳、別山と連なる先に、剱岳。

これは西方のパノラマ撮影で、大日連峰方面。足もとに室堂が見えている。

南西方向、これから向かう龍王岳、浄土山方面。
画面左奥に、五色平を経て薬師岳。

10:50に下り始めると、登りが大行列で、すれ違い通過に手間取る。
11:30、一の越をトイレ休憩だけで通過し、浄土山を目指して再び登る。
12:30、標高2831㍍の浄土山。
こちらは、打って変わって登山者が少ない。
団体さん皆無。地味だがその分高山植物は美しく、浄土の名にふさわしい。

薬師岳には雲が上がってきている。

雷鳥と久しぶりに対面できた。
ここでお湯をわかし、カップ麺の昼食、水割り一杯。
あ、カップ麺一人で2つ食べたわけじゃないすよ。
ツレアイと一緒です。
いつもなら昼寝をするところだが、下山を急いでいた。
13:00には出立。

ミヤマキンバイ?
それともシナノキンバイ?
誰かおせーて。

チシマキキョウ?

セリ科の花は区別が難しくてさっぱりわかんない。

これはチングルマ、だよね?

室堂山を経て、室堂帰着14:20。
室堂山から室堂までの下りは岩礫の急斜面で意外にきつかった。

下山路から、今日登った雄山を見る。
朝この山を目指している時には、逆光になって、こうは見えない。

14:45の臨時バスに乗り、ケーブルカー立山駅帰着15:50。
実働5時間弱、最大標高差、約550㍍。
久しぶりの3000㍍級だった。
いつ以来だろう?

同窓会で連休に富山を訪れることになって、
どうせなら、と思いついたのが立山の山歩きと、庄川の鮎だった。
立山はお天気次第なので、直前までどうしようか迷ったが、大正解だった。
晴れ女のツレアイのおかげかもしれない。

さて、この後は、庄川の鮎を食べに。

庄川の鮎づくし2016/07/18 22:18

庄川は、岐阜県の高山市近くの山地に源を発し、白川郷や五箇山を流れ、
富山県の穀倉地帯を潤して高岡市で日本海に注ぐ一級河川です。
水質日本一と認定されたこともある清流です。
季節には鮎釣りの釣り客で賑わい、鮎を食べさせる店が何軒もあります。
富山に暮らしたころは、長く降り続く梅雨に心身ずぶ濡れになったころ、
鮎が食べたくなって、何度か庄川べりまで車を飛ばしたものでした。

うるか3種。左から卵巣と精巣のうるか、内臓のうるか、身と骨のうるか。
すきやばし次郎の小野二郎さんは、幼いころ、天竜川でありあまるほど獲れた鮎を食べて育ち、特にうるかの味が自分の味覚を形成した、と回顧インタビューで語っていたのを想い出します。すきやばし次郎の寿司を食べたことは無いんですけどね。
天然鮎で昨年作って1年保存熟成して出しているそうです。
塩辛いですが、奥深い味です。

養殖あゆの塩焼き。小ぶりです。さっぱりしてます。
炭火でこんがり焼いてあるから香ばしく、
頭から鰭から骨まで全部丸ごと食べられます。
養殖といっても庄川の清流で育ってる。十分おいしいです。
これだけ食べたら、それで満足したかも。しかし。

天然あゆの塩焼きです。大きいです。脂が乗って濃厚な味です。
もちろん脂っこいという感じではありません。
馥郁と口から鼻に広がる香りが素晴らしい。
味と香りが渾然一体となって何とも豊潤です。
庄川で、鮎の魚影が濃いあたりへ行くと、スイカの匂いがするそうです。
天然鮎の中でも、美味しいのはなんと言っても友釣りで獲れた鮎だそうです。
元気で野性的で獰猛な顔をした、天然らしい鮎、なんだそうです。
そう言われてみれば、恐竜みたいな顔してますよね。
おやじさんの、そんな話しを聞きながら食べる天然鮎、最高です。

そろばん。細くぶつ切りにした生の鮎を、甘酢おろしで食べます。
これも天然でなければ、と聞いたことがあります。
そう言うと、天然の生は寄生虫が絶対居ないとは言えないので出さない、
そう言われました。
そんな姿勢、信頼できますねえ。

鮎の素焼き生姜出汁。
塩もふらず、炭火でからりと焼き上げた鮎を、
針生姜と酢を入れた出汁でいただきます。お店のオリジナル料理だそうです。
香ばしく爽やかです。

地元のプロ釣り師4人と契約して入手しているが、天然鮎が必ずあるとは限らない。
この日は連休の最終日で、昼に賑わって全部売れてしまっていた。
夕方にまた持ち込みがあったので幸運にも獲れたてを食べられた、
というような次第。
鮎の骨で出汁を取るという鮎雑炊が売り切れていたのが、唯一の心残りでした。
結局、鮎を一人あたり4尾半とうるかを堪能。
お酒は地元砺波市の若鶴酒造が作る「苗加屋 純米吟醸 琳赤」。
無濾過・生の豊潤なお酒です。
この天然鮎なら、このお酒に負けたりしません。

天然の鮎は香りは素晴らしいけれど、淡泊で枯れた味わいと思っていました。
季節、魚の大きさ、獲れる場所などで違うんでしょうね。
鮎概念を覆されました。
あ~こんなに書いちゃった。
砺波市:魚安にて。
案内してくれた鮎子ちゃん、ありがとう。(仮名です 笑)