晴れない2016/09/19 23:27

火曜と水曜を臨時休診にして
日曜から木曜まで5連休の遅い夏休みにしてあった。
うち1日か2日は山歩きを、と目論んでいたのだが。
連日雨続きだし、母親は体調を崩すしで、
ちっとも晴れ晴れとしない連休になってしまった。

冷蔵庫の整理をしたり、机周りの掃除をして
雨が降ったり止んだりの日中を過ごす。

夕方に、新横浜のホーム往診。
上り東海道線は、行楽帰りの人で混んでいる。
こんな天気でも行楽に出かける人は多いのだな。

母親はだいぶ落ち着いていたが、
どうも腑に落ちないところがある。
誤嚥?→嘔吐の後に悪寒戦慄・高熱だったので誤嚥性肺炎と思っていたが、
呼吸器系の症状・所見に乏しすぎる。
そう思ってホームのスタッフにいろいろ訊いていたら、こんな話しが。
数日前から尿取りパッドの尿の色が青いという報告が上がっていた、
というのだ。

web検索していたら、
PUBS(Purple Urine Bag Syndrome)というのに行き当たった。
カテーテルを膀胱に留置して尿をバッグにためている人で、
バッグが青や紫に着色することがあるというのだ。
腸管内のインドールが吸収され、
肝臓で硫酸抱合されてインディカンという無色水溶性物質となって尿中に排泄される。
このインディカンが尿中の細菌によって分解されると、
青色で不溶性のインディゴや赤色で不溶性のインディルビンに分解され、
これらの色素がブラスチックやボリマーに吸着され、
青や紫、ピンクなどの色を呈するというのだ。
便秘と細菌尿が条件になるらしい。

もしかすると、母親の場合も、細菌尿でパッドが青色になっていたとすれば、
誤嚥性肺炎ではなく、尿路感染症からの菌血症による発熱であったかもしれない。
今となっては決め手はないが、その方が納得しやすい気はする。
治療としては広域抗生剤の点滴で同じことではあるのだが、
起きたことに納得がいくほうが、気持の視界も少しは晴れるし、
今後の役にもたつというところはある。

帰ってばんめし。
今年は育ちが悪かった庭のゴーヤーが、今ごろになって実をつけ始めた。
冷凍の豚肉とチャンプルーに。
酒はもうお燗だ。

深夜。
クナッパーツブッシュ指揮ミュンヘンフィルのワグナーを久しぶりに聴く。
この指揮者、音楽のファンタジーを大きく解き放ってみせる達人。
「マイスタージンガー前奏曲」での大胆緻密なテンポ設計とか、
「ジークフリート牧歌」の豊かな表情づけ、細かいテンポ変化など聴くと、
練習嫌いだったという伝説的な話しって、ホンマかいなと思う。
半分はホント、半分はウソなんじゃないかなあ。
一発勝負一回限りのライブ感をとても大事にしているとは思うけど
相当綿密に練習もしてると思うよ、絶対。