川を越えて2018/11/04 19:16

この川を越えて、何度通ったろうか?
あと何回か?


午前、母親の訪問診療を終えて。
何処かで美味しいコーヒーが飲みたい。
横浜で何処かあるかな、と少し歩き回ったが、
ここならというところが無いので、そのまま帰宅。
なんだかひどく疲れた感じがして、しばらくベッドで眠る。

実の息子に看取られるなんて幸せな母親だ、という友人が何人かいる。
親孝行だという人もいる。
親孝行しているつもりは無いが、自分の人生の責任のようなものだとは思っている。
まだ若いころに「先に死ぬのだけは止めて」と何度か真顔で言った母の「遺言」に、
呪縛されているのかもしれない。

息子を若くして亡くした祖父母に、母は育てられた。
母は、自分の父を記憶していなかった。
そして、父親代わりのように頼りにしていた兄も亡くして、ひどい鬱に陥った。
そういう哀しみの血のようなものが、母には流れていた。
それに決定的な追い打ちをかけるようなことは、したくはなかった。
孝行したいなんて思わなかったし、しなかったと思うけれど、
そこまで残酷にはなれなかった。
それだけだ。

晩メシ。
地物カマスの干物、美味。大好物。

ブロッコリの柚子胡椒マヨネーズ和え。

ラディッシュと隠元の酢の物。

千葉から到来、ラディッシュとキュウリを、ぬか漬けにしてみた。
普通に美味しい。ラディッシュの葉を捨てている方、お試しください。

早く寝たかったが、聴きそこねた演奏会のテレビ放映があった。
この秋一番楽しみにしていたN響定期、
ブロムシュテットさん指揮のモーツァルトのプラハと、ブルックナーの第九。
母が一番死にそうだった夜で、直前に断念した。
どうしようか躊躇ったが、ライブとは別物と割り切って聴くことにした。
テレビで伝わるのはテンポとリズムだけ、みたいな気がしている。
でも、それでも良かった。

こうして、食べ物や音楽を糧にして、日々を生きている実感がある。