高松の長い1日はうどんに明けて ― 2016/06/04 22:00
朝6時から開けているうどん屋がある。行こうじゃないか。
一人6時過ぎに起きて、まだひとけの少ない街を歩き、7時前には店に着いた。
県庁の裏手、病院や学校などが多い静かな地区だ。
自転車やバイクに乗ってきた常連客と覚しき人たちで既に賑わっている。
うどん玉をお湯に浸して温めるのも、タンクから出汁を注ぐのも、薬味を載せるのも自分でやる、一番ベイシックなスタイル。
無駄を徹底して削ぎ落とせばこうなるってわけね。
味も無駄の無いクリアな味。店の名は、さか枝。
我が好物いなり寿司が食えるのも嬉しい。
学会場まで、朝の散歩。
そうか、菊池寛はこの街の生まれなんだね。
公園や街路樹には、クスノキが多く、緑が濃い。
みかんを街路樹にした通りもあった。
コトデンこと、琴平電鉄。
親しまれる私鉄が走る街って、良いなと思う。
玉藻公園。港に隣接した海岸にある高松城の城址公園だ。
コトデンの終点・高松築港駅に隣接している。
石垣の石組がカラフルできれいだ。
堀の水は、海水だ。
コイならぬタイがうじゃうじゃ群れて泳いでいる。
他にクロダイとかスズキとか、まるで釣り堀。
鯛に有料で餌をやるイベントが「鯛願成就」って、このユルさが微笑ましい。

なんか、怪獣に見えてきますね。
園内の植物、南国的です。
学会は9時から。
まず副作用に関する演題を集めたセッションを40分。
肝障害、肺障害、偽アルドステロン症、静脈硬化症、漢方の臨床をやっていると一番気になるこのあたりについて、非常に大事な情報やディスカッションが聴けた。
実は今回の学会で、一番効きたかったのが、これ。
もう済んじゃった。
この後11時まで、「四国が生んだ漢方医家」というワークショップを聴く。
現代につながる近代日本漢方の巨人、大塚敬節先生は四国・高知の生まれであり、奥田謙蔵先生、四国・丸亀の生まれだ。この二人を並べたセッション。特にやや地味な奥田先生がこのように採り上げられることは、画期的なことだった。奥田先生は、私からみると先生の先生の先生、つまり漢方の曾祖父ということになる。副作用のセッションと重なったために、前半を聴き損ねたのが残念だった。
これにて、いったん学会場を脱出。
コトデンに乗って三駅、この日二軒目のうどん屋へ。
11時半、店の外まで行列が伸びている。25人ほどか。
回転は速いので、待ち時間はしれている。
ここも、ベイシックなセルフサービススタイル。
いりこ出汁の香りに混じって、ふんわりとした良い小麦粉の匂いが店内に漂っていて、食欲をそそられる。
出汁の塩加減もちょうど良い。太刀魚てんぷら、でかっ。
ここは王道って感じ。上原屋本店。
うどん屋から国道を隔てて、栗林公園がある。
食後腹ごなしに、公園を散歩。
立派なクチナシだ。
山沿いを疎水が流れ、アオサギが魚を狙っている。
日本庭園って自然も模しているというか、自然そのものを理想化して表現しているというか。。
外国人が多い。中国語も、スラブ系の言語も、英語も、フランス語も聞こえてくる。
かすかに霧雨が降り始めた。
学会参加者にも3人ほど遭遇。
この時間は、学会プログラムがゆるいからね。
歩いて学会場へ戻り、2時半から午後の部スタート。
「生薬栽培の現状と問題」。
国産生薬栽培がニュースになるけれど、根本問題は何も解決していない。国産生薬の方が高くなり、輸入生薬に価格で対抗できないのだ。いくら作っても、買い手、使い手がいないのでは成立しない。国産生薬の保険薬価を別立てにするしかない、という栃本天海堂・姜さんの指摘は、説得力がある。
ワークショップ「漢方薬をサイエンスする」。
ペインクリニックの専門家が、痛みの診断と治療に関して江戸時代と今とレベルの違いは全然無い、と断言されていたのが痛快だった。サイエンスの目でみると漢方の視界が拓けることもあるし、サイエンスで難渋していることが江戸時代の文献で解決することもある。
同級生と落ち合って、今夜の夕食へ。
刺身は、炙った太刀魚、マナガツオ、金目鯛、スズキ、モンゴウイカ。
小河豚と新牛蒡の揚げだし
丸干し鰯のコンフィ
鰺の餃子 つみれの味
茄子と茗荷の漬け物
香川豚のメンチカツ ゴロン
穴子の釜焚き御飯と漬け物でシメ
この店も、地酒は凱陣。
昨夜は無かった雄町の純米があり、これが鉄壁。
長い1日だった。
歩行2万歩超。
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