台風の中のアンサンブルヴァガボンズ ― 2017/08/08 07:30
迷走台風が西から接近。
遠くのジェット機みたいな海鳴りが聞こえ、潮の香を含んだ南風が吹いている。
雨・風は大したことはなく、通勤には難儀せずに済んだ。
午前の診療を終え、午後は電子カルテ・医事会計ソフト「ダイナミクス」のバージョンアップ。
夜は、ヴィオラの成田寛さんたちが始めた「アンサンブル・ヴァガボンズ」のコンサートに。
会場は、30年も昔鍼灸学校に通ったあたりだが、変貌著しい。
ひとつ目の大学にいた20歳ごろ、11月の南アルプス山麓で哺乳動物を追いかけていた。落葉樹は葉を落とし、梢ごしに透明な光が静かにふり注いでいた。
地面は真紅、黄金色の葉に厚くおおわれて、歩くと乾いて柔らかい音がした。
ああ、ここは「大地の歌」の世界だ、と思った。
今夜、演奏された室内楽版「大地の歌」を聴いていて、その時のことがありありと想起されてきた。
体験と記憶が入れ子になっている。
そう思っているうちに、その世界に飲み込まれ、入り込んでいた。
素晴らしい演奏だった、今夜は。
マーラーの音楽にそっくりまるごと呑み込まれるような体験て、35年も前にバーンスタイン指揮イスラエル・フィルの第九交響曲をNHKホールで聴いて以来かもしれない。
二十人ほどの優れた音楽家が技術と音楽心を持ち寄ると、これだけのことが起こせるのだなあ。プロオケって何? なんてチラッと。
音楽家たちと、誘ってくれた誰かさんに感謝!
大地の歌だけでなく、最初に演奏されたR.シュトラウスの「変容」室内楽版、
ハルモニウムとチェロで奏でられたフォーレも素晴らしかった。
伊東裕さんて人はまだ25歳で勉強中のようだけど、
すでに素晴らしいチェリストだ。
知らなかった。
この人だけのコンサートも聴いてみたい。
帰り、通った鍼灸学校はこの辺りのはず、歩いてきたら、
母校の校舎は消え失せて高層ビルに化けていた。
白州を飲んで寝床に就いたけれど、余韻に翻弄されてなかなか寝つけなかった。




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