歯科麻酔とヴィオラ・ダ・ガンバの午後2016/05/12 16:40

午前の診療を終え、夕方は4時から歯科治療70分みっちり。
浸潤麻酔が効かずに下顎神経の伝達麻酔まで使用。
次回は何かtranquilizer飲んできてくれますか、と言われてしまった。

昨日と違って湿度が低く爽やかな快晴。
初夏の光がまぶしく、風が芳しい。




夜は、ツレアイと一緒に王子ホールでこれを聴いた。
ヴィオラ・ダ・ガンバは見たところチェロのような古楽器。
しかし、今夜のコンサートは、クラシックではない、古楽器の復興でもない。
かといってポップスでもない、ロックでもない。
ただ、ヴィオラ・ダ・ガンバの音楽世界を、まさにre-creationした、という創造性あふれる自由な音楽で、驚いた。
上品な宮廷の楽器という従来のイメージは吹き飛ばされる。
なにせ、プログラムの最後は、ジミ・ヘンドリックスだ。
響きが、ある時はギター、ある時はシンセ、ある時はシタール、ある時はバグパイプ、あるいはチェロ、時と場所を飛び越えて音楽世界はつながり、広がる。
奏者のファミ・アルカイは、パレスチナ人とシリア人の両親の間にスペインで生まれ、幼少時はシリアで育ったそうだ。
今という時代を感じた一夜だった。

終わって、銀座3丁目の裏道にできた新しい店で夕食。
和・伊・西がシームレスにミックスされたような店。
冷たい白ワインを飲んだら、麻酔が切れかけた口の左半分だけグラスが熱く感じた。
なにか、歯科治療からずっと、感覚の境界線を彷徨ったような午後だった。