ニッポニカの「アカデミズムの系譜」2018/07/01 20:53

今朝の朝めし。
妙にきれいに盛り付けてあるのは次男夫婦が客として来てたからです、はい。


昼前に家を出て、
紀尾井ホールでオーケストラ・ニッポニカの演奏会を聴く。
野平一郎さんの作品への敬意を感じさせる指揮は今回も素晴らしかった。
アカデミズムの系譜」って、どストレートなタイトル、どうなの?
と思ったが、敢えて、なんだよな、もちろん。
野平さん自身がその系譜に連なることを意識したうえで、敢えて。
そこに、強烈な自負と問いかけを、感じた。

高浜虚子の次男にあたる池内友次郎は1920-1930年代にパリ音楽院に学び、
システマティックな音楽理論、作曲技法を学んだ。
そして帰国後に書籍を通じ、大学教育を通じ、それを日本に根付かせた。
今回取り上げられた5人はいずれもその系譜に連なり、
日本の音楽大学で教鞭をとり、
後進の育成にも当たった方ばかり。
というわけで、<アカデミズムの系譜>。

いずれも、アカデミズムという言葉がはらむ退屈や堅苦しさとは対極の、
個性的で聴き応えのある音楽だった。
私の乏しい理解力では、とてもこの人たちの特徴、
なんてものをきちんと表現することはできまない。
でも、どの作品も、見事に時間を支配している感じがする。
密度がゆるむような時や、どこへ向かうかわかりにくい時が、無い。
感動するかどうか、何を感じるか、以前に、
音楽として隅々まできちんと成立しているかどうか、みたいなところ。
そこに、スキを感じさせない。
それって、緻密な音楽理論の裏付けがあるからなのかもしれない。
と、私は推測することしかできないのだが。

矢代さんのチェロ協奏曲は、名曲だ。
カンタさんのソロも、ニッポニカも、素晴らしかった。
遠からずライブCDが出るはずなので、買い求めて聴き直したい。
そして、矢代さんの交響曲、ピアノ協奏曲も、
ちゃんと聞いてみなければ、と思った。

まったく知らなかった貴島さんの作品、
島岡さんや野田さんの若書き作品の充実も驚きだった。
要するにこの人たち、大天才ですね。
ってなんて陳腐なことしか書けないのか。
情けないけど、仕方ない。



次回、来年1月のニッポニカ公演は、
間宮芳生さんのオペラ「ニッポンザル・スキトオリメ」。
どうです? タイトルだけでワクワクしませんか?
早速もう前売り券、買っちゃいました。
それにしても、暑かった。

夕食。
バスク土産にいただいたエスペレット入りのサラミ。
見かけと匂いはかなり強烈だが、切って食べると、とても美味しい。

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