高松を見直した2016/06/05 23:35

学会最終日。
午前は、「傷寒論再々考」というシンポジウムと、「東洋医学と基礎医学との関わり」というワークショップ、どちらにしようかと迷いつつ前者を聴き始めたら、終わりまで聴いてしまった。角藤裕先生の、SNSや新しいクラウド型プレゼンソフトを用いた学習法は、なるほど新しい。漢方の学習法も進化している。深化しているかどうかはわからないが。

ここでまた学会場脱出。
聴きたかったランチョンセミナーのチケットが既に無くなっていたので、歩いていけるうどん屋へ。三軒目のさぬきうどん。
今回は、すだちおろしぶっかけ、蓮根のてんぷら、いなり寿司。
ここは、悪くはないが、まあ普通ってところ。
うどん市場兵庫町店。
うどん市場って店名が笑える。

兵庫町とクロスするこの丸亀町商店街のアーケードは、よく歩いた。
2.5㌔くらいあるのではないかな。
景観が日本離れした印象を受ける。
再開発として、よくできた中心街になっている。

紀伊國屋書店があったので入ったら、ついこんな重い本を購入してしまった。
なにも旅先で買わんでもいいのに。

午後のセッションからは、矢数芳英先生の「痛みの漢方治療~レーダーチャートを用いた6つの治療戦略」を聴く。冷えを温める、抗炎症、微小循環を改善する、水分代謝を改善する、ストレス対策、虚を補う、という6つの軸で治療戦略を考える。痛みに対するだけではなく、漢方治療での戦略の立て方の整理として、よくできている。患者の病態の整理と、薬方の方意の整理の両面で。中医学的な弁証と和漢診療的な陰陽虚実と気血水論などの良いところをうまく採り入れている。これは使える。
以上で会場を後にして空港行きのバスに乗った。

正味2日の滞在だったが、高松は思ったよりずっといい街だった。
18歳の時に遭った高松出身のクラスメートが「コーヒーに砂糖をはめると言うやろ。言わんか」と言うのを聞いて以来、高松に偏見を抱き続けていたようだ。真っ当なものが真っ当な値段で食べられ、歩き回れる道と公園があり、空も海もきれいだ。

空港からの讃岐平野の眺め。
讃岐平野には、島のように突き出した小山が点在し、灌漑用の池も多い。すぐ向こうには瀬戸内海が見え、瀬戸内海には、讃岐平野の小山のように島々が点在している。瀬戸内海は海の讃岐平野であり、讃岐平野は陸の瀬戸内海であり、両者が鏡像のように接してどちらが実像でどちらが虚像かわからないような不思議な景観を作っている。そして、その向こうには、意外に近くもう岡山県が見えている。

離陸して厚い雲を抜け、しばらく飛んで雲が切れると名古屋港の上空。
そしてすぐに駿河湾上空に達する。
富士山にもう雪は見えない。

房総半島の先端で左旋回し、千葉市上空から東京湾の海岸線に沿って羽田へ。

疲れたけど、よく勉強し、よく歩き、よく食べていい学会出張だった。