しれいとう2015/07/22 10:16

他院で四苓湯が処方されたが、服用して良いだろうか。
患者さんが私にそう問うた。

お、やるな、と思った。
その病院では漢方が盛んなのは知っていたし、
この患者さんには四苓湯が処方されてもおかしくない。
それにしても四苓湯(しれいとう)とは。

少々漢方を囓った、という医師でも
知らない方の方が多いのではなかろうか。
保険適応エキス製剤としては、
大杉製薬一社だけから発売されおり、
内容的には、ポピュラーな五苓散から桂皮を抜いたもだ。
相当マニアックな薬なのだ。

でも、あの病院がこの人に処方するのは不思議でなはない。
そう思ったから、四苓湯服用前提に、
当方の処方内容を考えているところに、患者さんが、言った。
確かにシレイトウですよ。ええと、番号が114番。
うわっっ そっちか。。
患者さんの読み間違えだった。
柴苓湯。サイレイトウと読む。
あっっっっぶねえ。
柴苓湯の兄弟のような漢方薬を出してしまうところだった。

そうすると、どうなるか、というと。
アダラートに加えてアムロジピンを出してしまうようなもの、というか
タケプロンが出ているのにオメプラールをだしてしまうようなもの
というか。。わかる人にしかわなんないね。
ラーメン食い終わった人にチャーシュー麺勧めるようなものっていうか。まあそんな過ちを犯すところであった。

最近は、どこの診療科からも、漢方エキス製剤が処方されることが非常に多くなっている。内容の重複や背反といった「飲み合わせ」の問題が頻発しているのだ。
大事なのは、四苓湯でも柴苓湯でもない、司令塔です、はい。