曺監督のことば2015/10/17 23:57

「僕は監督としてやれたことというのは、シュートを決めたからといっていいわけじゃない。勝ったからといっていいわけじゃない。負けたから悪いわけじゃないということをずっと通しているということがひとつです。要はプロセス、そこに至るものが重要。足を止めてシュートが外れて勝ったけどこれはいけないプレー、逆にリスクを冒して取られたけど、これをやらなければ点を取れない、という基準をどんな時でも選手たちに提示するのが監督の責任だと思っています。それを彼らが自分たちで判断してやれるように、少しなってきたかなということがあります。だけど、監督のやれることと言うのはすごく小さなことで、選手同士、仲間同士がお互いのプレーを理解して、こいつにはこれくらいのパスを出せば追いつける、コイツにはここで左足で出してあげたほうがいい、という選手同士の信頼がピッチに落ちているということが、このサッカーの世界はすべてだと思います。
お互いにリスペクトし合う関係をピッチの中で作らなければ、いくらシュート練習しても1対1の練習をしても、人のせいにするし自分は関係ない、ミスをしたら代えられるからミスしないようにしようということでは、30試合、50試合、100試合やっても選手は成長しないと思います。それは僕はトップの選手だけじゃなくて、小学生や中学生でも同じことだと思っています。
間違ってるか合ってるか分からないですけど、ずっとそれを言い続けようと思って今年もやっているし、これが勝点0だったかもしれません。でもそのリスクを負って彼らにやらせないと、監督にできることというのはそれくらいしかないと思っているので、それを貫いているだけだと思います」

FC東京に勝った後に、湘南ベルマーレの曺監督が、試合後のインタビューで話している言葉だ。話しことばなので少しわかりにくいところはあるが、言いたいことは十分伝わると思う。

この数年オイラがベルマーレを応援しているのは、地元だからというよりも、この監督の元で成長していくチームが、スポーツにとどまらず、教育とか人間の成長とか、リーダーと集団のあり方についての、良いお手本を示してくれているように感じられるからだ。試合後のインタビューをほぼ毎回ネットで読んでいるが、本当にこの監督は、いつも同じことを、言葉を少しずつ換えてではあるけれど、繰り返し、繰り返し、繰り返し、本当にぶれずに語っている。

この試合で、ベルマーレは来年もJ1で試合を続けて行くことが決まった。おめでとう、ベルマーレ。