ユッカ・ペッカ・サラステ指揮N響定期2015/05/09 14:00

シベリウスの交響曲第二番。
50年も前から何となくは馴染んでいるし、ライブも何度か聴いている。
まあ通俗名曲? なんてなめてた自分の俗耳が恥ずかしい。
今夜は初めて、この曲の魂に触れた実感を持った。初めて、dignityというか、聖なるものが感じられた。最初から終わりまで。
巨人族の神話の世界に誘い込まれたような時間だった。
シベリウス生誕150周年の、私的モニュメントになった。
ユッカ・ペッカ・サラステのシベリウスのCDも少し聴いてみようか、という気になった。聴き続けてみるもんだ。

前半はシベリウスの「クオレマ」から「鶴のいる情景」「カンツォネッタ」「悲しいワルツ」。クリストフ・バラーティという人のソロでバルトークのヴァイオリン協奏曲第二番。サラステ指揮のオーケストラも、バラーティのソロも、音色に暖かさ、柔らかさがあり、ギスギス粗いところ、ピリピリ神経質なところがない。安心して音楽を聴き進めていかれるのがうれしい。
「鶴のいる情景」での陰影に富んだクラリネット、バルトークでの輝かしい金管群、交響曲での、巨人の足音のような低弦など、N響も大変素晴らしかった。